飲食店の間貸し料金はいくらが正解?適正価格の決め方と失敗しない設定の鉄則

飲食店の定休日に厨房を貸し出す「間貸し」を検討しているオーナーから、最も多く寄せられる質問のひとつが「料金はいくらに設定すればいいですか?」だ。「安すぎると損をする」「高すぎると借り手がつかない」という不安はよくわかる。しかし、この料金設定を誤ると、後から大きな代償を払うことになる。この記事では、間貸し料金の適正価格の考え方と、最初から正しく設定するための鉄則を解説する。

この記事でわかること

  • 間貸し料金の相場と、エリア・設備別の目安
  • 「最初は安く」が失敗を招く理由
  • 適正価格を最初から設定するための3つの判断軸
目次

間貸し料金の相場はどのくらいか

間貸しの料金は「時間単位」か「売上の一定割合(レベニューシェア)」のどちらかで設定されることが多い。大阪・神戸などの関西主要エリアでは、以下が目安になる。

設備・規模時間単価の目安1日(8時間)
小規模厨房(〜10席)1,000〜2,000円/時8,000〜16,000円
中規模厨房(10〜30席)2,000〜4,000円/時16,000〜32,000円
フル設備(調理機器充実・駅近)4,000〜8,000円/時32,000〜64,000円

レベニューシェア型の場合、売上の20〜30%を受け取るモデルが多い。びあらばが支援するCOROCOROでも、単発出店で売上の30%、3ヶ月継続で20%という設定をしている。どちらの形式が自分の店舗に合うかは、出店者のビジネスモデルや回転数によって変わる。

「最初は安く始めよう」が絶対にダメな理由

間貸しの料金設定でよくある失敗が「まずは安い価格で出店者を集めて、実績がついたら値上げしよう」という考え方だ。これは一見合理的に見えるが、実際には深刻な問題を生む。

値上げ時に価格目当ての出店者が離れる。安い価格に惹かれて来た出店者は、価格が上がった瞬間に去っていく。残るのは「この場所でなければならない理由」がある出店者だけだが、最初から適正価格で来ていた出店者はそもそも別の動機で選んでいる。つまり、値上げによって「抜けてほしくない優良な出店者」から先に離れていく事態になりがちだ。

さらに厄介なのが「空室ロス」だ。出店者が離れた後、また一から集客しなければならない。この期間、厨房は稼働せず固定費だけが出ていく。最初に安い価格で始めて値上げした結果、空室ロスが発生し、トータルの収益は最初から適正価格で設定した場合より低くなることが多い。

「最初は安く、後で上げる」ではなく「最初から適正価格で始める」が間貸し成功の鉄則だ。

適正価格を決める3つの判断軸

では「適正価格」とはどう決めるのか。以下の3つの軸で考えると整理しやすい。

① 競合の価格を調べる

同じエリアにあるシェアキッチンや間貸し物件の料金を調べることが第一歩だ。ポータルサイトや地元の飲食業者へのヒアリングで、相場感をつかむ。ただし、競合より安くする必要はない。次の②と③の要素で差別化できれば、相場以上の価格設定も十分可能だ。

② 設備・立地の優位性を数値化する

駅からの距離、客席数、調理機器のスペック(オーブン・フライヤーの有無など)、換気設備の状態——これらは出店者にとって直接の収益力に影響する要素だ。立地が良く設備が充実している厨房は、相場より2〜3割高い価格設定でも選ばれる。逆に、立地が弱い場合は何らかの付加価値(集客支援・予約導線など)で補う必要がある。

③ 出店者の採算から逆算する

間貸し料金が高すぎると、出店者の利益が薄くなり長続きしない。仮に出店者が1日の売上を5万円と想定する場合、原材料費・人件費(自分の人件費含む)・間貸し料金を合わせたコストが売上の70〜75%以内に収まるのが健全なラインだ。出店者の採算が取れる価格の上限を把握した上で、適正価格を設定することが双方にとってベストな関係を生む。

間貸し料金に含めるべきコストの整理

料金設定を正確に行うには、自分が負担するコストを明確にする必要がある。以下の要素を漏れなくリストアップしよう。

  • 水道光熱費:厨房稼働時の電気・ガス・水道の追加分。月の固定費を稼働日数で割り、間貸し分の割合を計算する
  • 清掃・消耗品費:間貸し後の清掃にかかる時間・コスト。洗剤や消耗品の補充費用も含む
  • 設備の減価償却・修繕リスク:機器の使用頻度が上がれば故障リスクも増える。年間の修繕想定額を月割りで加味する
  • 管理・対応コスト:鍵の受け渡し、トラブル対応、契約管理など自分の時間コスト

これらのコストを積み上げた「コストの下限」と、競合・出店者採算から導いた「価格の上限」の間に適正価格が存在する。このゾーンを見つけることが、最初から正しい価格を設定するための土台になる。

適正価格の設定に迷ったら、びあらばに相談を

「計算方法はわかったが、自分の厨房に当てはめるとどうなるのか」という疑問は当然だ。エリアの競合状況、自店の設備スペック、出店者のターゲット層によって適正価格は変わるため、一律の答えはない。

びあらばでは、大阪を中心に飲食店の間貸し支援を行っており、個別ヒアリングをもとに適正価格の設定をサポートしている。初期設計費30,000円(税別)で、料金設定から出店者審査・契約書整備・運用サポートまでを一括で行う。「価格を間違えて後悔したくない」オーナーこそ、一度相談してみてほしい。

まとめ:間貸し料金設定の3か条

  1. 最初から適正価格を設定する——「安く始めて後で上げる」は値上げ時の空室ロスを生む
  2. 競合・設備・出店者採算の3軸で判断する——どれか一つでは正確な価格は出ない
  3. コストを積み上げて下限を把握する——ボランティアにならない価格帯を守る

間貸しは「定休日に眠っている厨房を収益化する」シンプルなビジネスだ。しかし料金設定を誤ると、出店者との関係が壊れ、最終的に空室ロスで損をする。最初から正しい価格を設定することで、長期的に安定した副収入を生み出す間貸しを実現しよう。

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この記事を書いた人

株式会社びあらば 代表取締役。
大阪・天六でシェアレストラン「COROCORO」を運営。
飲食店オーナーとしての実体験と、飲食業界向けSaaS・採用支援の営業経験を活かし、
「開業」「拡大」「採用」に悩む飲食事業者の意思決定支援を行っている。

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