間借りシェフが月10万円を稼ぐ1日|スケジュール・集客・売上の実態

「いつか自分の店を持ちたい」——料理の世界に入った人なら、一度はそう思ったことがあるはずだ。しかし、開業には数百万円の資金、物件探し、内装工事、スタッフ確保と、越えなければならないハードルが山積みになっている。そこで注目されているのが「間借り出店」という選択肢だ。既存の飲食店の厨房・スペースを借りて、自分のメニューで営業する形式で、初期費用を大幅に抑えながらシェフとして独立の一歩を踏み出せる。この記事では、間借り出店で月10万円を稼ぐシェフの1日のリアルを紹介する。

この記事でわかること

  • 間借りシェフの1日のスケジュールと売上の作り方
  • 月10万円を達成するための出店回数と単価の目安
  • 集客を成功させるための3つのポイント
目次

間借り出店とは何か——開業との決定的な違い

間借り出店とは、既存の飲食店が定休日や空き時間に厨房・客席を貸し出し、料理人がそのスペースを使って自分のメニューで営業する形式だ。

比較項目間借り出店通常の開業
初期費用0〜30万円500〜1,500万円
月の固定費売上の20〜30%(変動)家賃・人件費など50〜100万円
リスク低い(撤退も容易)高い(閉店コストも発生)
スタート期間最短2〜4週間3〜6ヶ月以上

固定費が「変動費」になるのが間借りの最大のメリットだ。売上がゼロの日は支払いもゼロ(または最小限)——これが通常の店舗開業との決定的な違いだ。

月10万円を稼ぐシェフの1日のスケジュール

実際に間借り出店で月10万円以上の収益を出しているシェフの1日は、大まかに次のような流れになる。

前日〜当日朝:仕込みと発注

間借り出店の場合、すべての仕込みは営業許可を受けた出店先の厨房で行う必要がある。食品衛生法上、営業許可は特定の施設に対して発行されるため、許可を受けていない自宅キッチンでの商業的な仕込みは行えない点に注意しよう。出店先の厨房に早めに入り、仕込みから営業終了まで許可施設内で完結させることが基本だ。食材の仕入れは近隣の卸売市場や業務用スーパーを活用することで原価を抑える。

11:00〜14:00:ランチ営業(集客しやすい時間帯)

ランチ帯は客を集めやすいという性質がある。ディナーより客単価は低くなりやすいが、固定客の獲得と認知拡大には有効な時間帯だ。仮にランチセット1,200円で20食販売できれば、1回の出店で売上2万4,000円になる。売上の30%を場所代として支払う場合、手元には約1万6,800円が残る。ここから原材料費(売上の30〜35%)を引くと、1回あたりの利益は約5,000〜8,000円だ。稼ぎやすい時間帯は料理ジャンルや立地によって異なるため、ランチとディナーのどちらが自分のスタイルに合うか試しながら判断するとよい。

14:00〜15:00:片付け・SNS更新

片付けは出店者の責任範囲だ。ここを丁寧に行うことで次回以降も継続して使わせてもらえる関係を維持できる。片付け後はその日のメニューや料理写真をInstagramに投稿し、次回の集客につなげる。

夕方〜夜:次回出店の準備・顧客対応

LINEの友だち登録や予約対応、次回のメニュー開発、SNSのコメント返信など、翌日の出店に向けた準備を行う。間借りシェフは「料理人兼マーケター」として動かなければならない。この時間の使い方が月商に直結する。

月10万円の達成に必要な出店回数と単価

月10万円(税引き前)を手残りとして得るためには、以下のような設計が現実的だ。

出店パターン1回の売上月の出店回数月商手残り(原価・場所代除く)
週2回ランチ(20食×1,200円)24,000円8回192,000円約80,000〜96,000円
週3回ランチ(25食×1,500円)37,500円12回450,000円約135,000〜180,000円

週2〜3回の出店で月10万円以上の手残りは十分に現実的な目標だ。ただし、初月から満席にはならない。最初の1〜2ヶ月は認知拡大の期間として、SNS・口コミ・近隣への告知に力を入れることが重要だ。

集客を成功させる3つのポイント

① Instagramに料理写真を毎回投稿する

間借りシェフの最大の集客ツールはInstagramだ。「この人が作った料理を食べたい」と思わせる写真・動画を出店のたびに投稿することで、フォロワーが顧客になる流れを作る。ハッシュタグは「#大阪ランチ」「#間借りシェフ」「#〇〇(料理ジャンル)」のように地域×業態の組み合わせが効果的だ。

② LINE公式アカウントで常連客をリスト化する

一度来てくれた客を「また来てくれる常連」に変えるには、LINE公式アカウントへの登録が有効だ。次回の出店日・メニュー・限定情報をLINEで発信することで、ファンが自然に集まる仕組みが作れる。登録特典(100円引き・ドリンク無料など)を設けると登録率が上がる。

③ 出店場所のSNS・告知を活用する

間貸しをしている飲食店側のInstagramや店頭ポスターで告知してもらえるか交渉しよう。大家側にも「空き時間に賑わいが生まれる」メリットがあるため、協力してもらいやすい。実際に間借り出店をしている料理人の声として「オーナーのフォロワーから予約が入った」というケースもある。

COROCOROで間借り出店を試してみる

大阪・天神橋筋6丁目エリアにある「COROCORO」は、間借り出店を検討している料理人向けのシェアレストランだ。面積21㎡・カウンター8席の完全貸し切りキッチンで、単発1回から出店できる(売上の30%が場所代)。3ヶ月継続出店なら売上の20%に下がる仕組みだ。

「まずは1日試してみたい」「週末だけ出店したい」「常連ができたら場所を探したい」——そういったリアルな悩みを持つシェフに向けた場所として設計されている。初期設計サポート(5,000円)もあり、メニュー設計や集客の相談にも対応している。

まとめ:間借り出店は「最小のリスクで最大の経験を積む」戦略だ

間借り出店は、料理人が最小のリスクで独立・出店の経験を積める選択肢だ。週2〜3回の出店で月10万円の手残りは現実的な目標であり、実績と常連客が積み上がれば次のステップ(専属スペースの確保・実店舗開業)への判断材料にもなる。「まず試してみること」が、夢を現実に近づける最初の一手だ。

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この記事を書いた人

株式会社びあらば 代表取締役。
大阪・天六でシェアレストラン「COROCORO」を運営。
飲食店オーナーとしての実体験と、飲食業界向けSaaS・採用支援の営業経験を活かし、
「開業」「拡大」「採用」に悩む飲食事業者の意思決定支援を行っている。

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