求人媒体に費用をかけても応募が来ない——そんな悩みを抱える飲食店オーナーが、TikTokを使った採用に注目し始めています。求職者が「仕事を探す場所」は、もはやハローワークや求人サイトだけではありません。10〜20代の若い世代が毎日何時間も過ごすSNSのなかに、採用の新しいチャンスが生まれています。この記事では、なぜ飲食店にTikTok採用が向いているのか、その理由と実際の始め方・運用ステップを具体的に解説します。
この記事でわかること
- TikTok採用が飲食店に向いている3つの理由
- 採用につながる動画コンテンツの作り方と5パターン
- アカウント開設〜DM受付まで、今日から始められるステップ
TikTok採用とは——求職者に「働く姿」を見せる採用手法
TikTok採用とは、TikTokへの短尺動画投稿を通じて職場の雰囲気や仕事の魅力を発信し、求職者を引き寄せて採用につなげるSNS採用手法のことです。求人票のように「テキストで仕事内容を説明する」のではなく、「実際の職場の様子を動画で見せる」点が最大の特徴です。
従来の採用では「求人票を見る→応募→面接→採用」というプロセスで求職者が店を知ります。TikTok採用では、まず動画を見て「この店で働きたい」という気持ちが先に生まれます。採用の最初のハードルである「応募する気になるかどうか」を、動画が代わりに越えてくれるのです。
なぜ飲食店にTikTok採用が向いているのか
飲食店とTikTokの相性が良い理由は3つあります。
①コンテンツが現場に溢れている
飲食店の厨房は、もともとコンテンツの宝庫です。包丁さばき、仕込み、盛り付けの瞬間、満席の賑わい——こうした日常の一コマが、スマートフォン1台で数十秒の動画になります。映像制作のプロでなくても、「厨房の仕込み30秒」「ランチピーク前の準備」を撮るだけで、職場の活気が伝わります。
②求人サイトを使わない層にリーチできる
20代前半のアルバイト志望者の多くは、スマートフォンの使用時間のうち大きな割合をSNSに費やしています。「就職・転職は求人サイトで探す」という習慣が薄い若い世代に、TikTokは直接届きます。IndeedやタウンワークといったWEB求人に出稿しても反応が薄い場合、そもそも「その媒体を見ていない」可能性があります。
③アルゴリズムがフォロワーゼロでもリーチを広げる
TikTokのアルゴリズムは、フォロワー数よりもコンテンツの「視聴完了率」「保存数」「シェア数」を重視する設計になっています。開設したばかりのアカウントでも、動画の内容が面白ければ数千〜数万回再生される事例は珍しくありません。Instagramのように長期間フォロワーを育てなくても、最初の1本から採用につながる可能性があるのが大きな違いです。
採用につながるTikTok動画コンテンツ5パターン
再生数が伸び、かつ採用問い合わせにつながりやすい動画には共通のパターンがあります。次の5タイプを軸に、投稿を組み合わせてください。
| パターン | 内容例 | 狙い |
|---|---|---|
| ①職場密着1日ルーティン | 開店準備〜ピーク〜仕込みを追う | 職場のリアルを伝える |
| ②仕込み・調理の裏側 | 包丁さばき・仕込み量・こだわり食材 | 技術感・やりがいを訴求 |
| ③スタッフインタビュー | 「なぜこの店で働いているか」30秒 | 定着・職場環境を証言 |
| ④採用告知+条件提示 | 「一緒に働く仲間を募集中!」直球 | 応募行動を直接促す |
| ⑤店長・オーナーの想い | 「どんな人と働きたいか」を語る | 共感採用・ミスマッチ防止 |
とくに③スタッフインタビューは「定着率の高い職場感」を伝えるうえで効果的です。採用する前から「この店は先輩が優しそう」「雰囲気が良さそう」という印象を持ってもらえると、入社後のギャップも減り、早期離職の予防にもつながります。
TikTok採用の始め方——アカウント開設からDM受付まで
Step 1: プロアカウントに切り替える
個人アカウントでも採用発信はできますが、プロアカウント(旧ビジネスアカウント)に切り替えることでインサイト(再生数・視聴者層のデータ)が確認できるようになります。設定→アカウント管理→「プロアカウントに切り替え」から無料で変更できます。
Step 2: プロフィールを採用仕様にする
プロフィール文には「採用情報はDMへ」と明記し、「大阪・〇〇(地域)で〇〇スタッフ募集中」など地域とポジションを入れます。リンクにはIndeedの求人票URL、または自社の採用ページURLを設定します。ひと目で「採用もやっているアカウント」とわかるよう、プロフィール文の冒頭に採用情報を入れましょう。
Step 3: 最初の10本で「採用コンテンツの型」を作る
最初の10本は「バズらせること」より「型を作ること」を優先します。前述の5パターンを2本ずつ投稿し、どのタイプの反応が大きいかデータをとります。週2〜3本を3ヶ月続けることで、アルゴリズムに評価されるようになり、安定して再生数が伸びる状態を目指します。
Step 4: DM採用フローを事前に設計する
「採用DMを受け付ける」と宣言したら、24時間以内に返信するルールを作ります。DM→簡単なヒアリング(希望シフト・職種経験・希望時給)→来店面接の3ステップを標準フローにしておくと、採用担当者が変わっても対応が属人化しません。DM問い合わせへの返信が遅れると求職者の熱が冷めるため、通知設定は必ずオンにしておきましょう。
びあらばのTikTok採用支援事例(大阪の飲食店)
大阪拠点の飲食特化RPO・びあらばでは、Indeed等の求人媒体と並行してSNS採用の設計支援も行っています。
支援事例(大阪・居酒屋 A店、30席、スタッフ8名)
課題: Indeed掲載を1ヶ月続けても応募がほぼゼロが続いた。採用コストが月3〜5万円かかっていたが採用に至らず。
施策: びあらばがTikTokアカウントの設計・撮影の型・ハッシュタグ戦略を支援。「仕込みルーティン動画」「スタッフ一言インタビュー」を週2本ペースで6週間投稿。採用告知動画には「DMでシフト相談OK」と明記。
結果: 6週間でDMから問い合わせが4件、うち2名がアルバイト採用に至った。採用媒体費用は0円。採用にかかった直接費用はスタッフへの撮影協力謝礼(合計5,000円相当)のみ。
※本事例は支援実績をもとにした一般化モデルです。成果は店舗・業態・地域・投稿品質により異なります。
よくある質問(FAQ)
TikTok採用はどんな飲食店に向いていますか?
10〜20代のアルバイトスタッフを採用したい飲食店に特に向いています。居酒屋・カフェ・ラーメン店など、職場の「動き」や「技術」が動画になりやすい業態との相性が良いです。反対に、高級レストランやシニア向け業態では、TikTokよりIndeedや求人誌の方が応募層に届きやすい場合があります。
TikTok採用にかかる費用はどのくらいですか?
オーガニック(自然投稿)での採用活動であれば、アカウント開設・動画投稿は無料です。スマートフォン1台あれば始められます。プロの撮影や動画編集を外注する場合は1本あたり1〜5万円程度が相場ですが、まずは手持ちのスマートフォンで始め、反応を見てから外注を検討するのが現実的です。
TikTokで採用告知をする場合、労働条件の表記は必要ですか?
採用告知動画で賃金・勤務時間・雇用形態などの労働条件を明示する場合、職業安定法の募集要件(明示義務)が適用されます。動画内やキャプションで「詳細はDMまたは求人ページで確認」と案内し、求人ページに正確な条件を記載する形が一般的です。具体的な対応は社会保険労務士や専門家にご確認ください。


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