「定休日に厨房が空いているのに、何も生み出していない」——そう感じているオーナーは多いはずです。毎月の家賃は定休日も発生し、設備もそのまま眠り続けます。
間貸し(シェアキッチン)は、その空き時間を副収入に変える仕組みです。本記事では、飲食店オーナーが間貸しを始めるにあたって知っておくべき収益の仕組み・料理人の探し方・契約の作り方・よくあるトラブルと回避策を一から解説します。
この記事でわかること
- 間貸しで得られる収益の目安と相場
- 料理人・借主をどこで探すか
- トラブルを防ぐ契約書の3つのポイント
間貸しとは——定休日・空き時間を「収益が生まれる時間」に変える仕組み
間貸しとは、自店が営業していない時間帯(定休日・ランチ後の空き時間・早朝など)に、厨房スペースを外部の料理人・事業者に貸し出すことです。
貸し出す側(オーナー)は家賃の負担を下げ、借りる側(料理人・シェフ)は低コストで飲食業を始めることができます。シェアリングエコノミーの考え方が外食産業に広がった形です。
代表的な間貸しパターン
| パターン | 例 | 月収入の目安 |
|---|---|---|
| 定休日のみ | 週1日の定休日を貸し出し | 1〜3万円 |
| ランチ後の空き時間 | 14〜17時の空き時間帯 | 2〜5万円 |
| 営業前(早朝) | 7〜10時の厨房を菓子製造業者に | 2〜4万円 |
| 定休日+空き時間(複合) | 複数の借主と交互に活用 | 5〜15万円 |
間貸しで収益化するために必要な3つの準備
準備① 飲食店営業許可の確認
借主が飲食物を販売する場合、借主自身が飲食店営業許可を取得する必要があります。貸主のオーナーは、許可証の写しを契約前に確認することが重要です。許可なしに営業された場合、場合によっては貸主にも行政指導が及ぶことがあります。
準備② 衛生管理ルールの明文化
「使用後は清掃・原状回復」「食材の保管ルール」「ゴミの分別と処分方法」を文書で共有しましょう。口頭の約束は後でトラブルになります。利用前後にチェックシートを記入してもらう運用が最もトラブルが少ないです。
準備③ 転貸借契約書の作成
間貸しは法的には「転貸借契約」です。以下の項目を必ず明記してください。
- 利用可能時間帯・曜日
- 賃料(固定 or 売上連動)と支払日
- 禁止事項(器具の持ち込み・利用人数の上限 等)
- 事故・損害時の責任区分
- 契約解除の条件・予告期間
借主をどこで探すか——3つの集客チャネル
チャネル① スペース掲載プラットフォーム
インスタベース・スペースマーケットなどのプラットフォームに物件を掲載する方法です。集客力はありますが、掲載手数料(売上の20〜30%)が発生します。単発利用の方との出会いには向いていますが、継続利用の借主探しには手数料がかさみます。
チャネル② SNS・口コミ
InstagramやX(旧Twitter)で「#間借り募集 #○○(地名)」と発信すると、開業を検討しているシェフの目に止まりやすいです。初期費用ゼロで、直接のコミュニケーションからマッチングが生まれます。
チャネル③ 間貸し支援サービス(マッチング+運用代行)
プラットフォーム掲載・借主の審査・契約書作成・運用設計まで代行するサービスを使う方法です。手間がかからず、トラブルリスクを大きく減らせます。びあらばでは、厨房の空き時間を収益化するまでの一連の工程をサポートしています。
間貸しでよくある3つのトラブルと回避策
トラブル① 清掃・原状回復の認識ズレ
回避策: 利用前後の写真記録+チェックシートを義務化。「どの状態に戻すか」を写真付きで共有する。
トラブル② 賃料不払い
回避策: 月払いではなく週払いや前払い制にする。または売上連動型(例:売上の20%)にすることで双方のリスクを分散する。
トラブル③ 食材・器具の無断使用
回避策: 利用者専用スペースと貸主専用スペースを明確に区分けする。鍵付き収納を使い、貸主の食材・器具にはアクセスできない仕組みにする。
収益シミュレーション——週1定休日で年間いくら稼げるか
例として、週1日の定休日を継続利用の料理人に月3万円で貸し出した場合を試算します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月収入(賃料) | 30,000円 |
| 年間収入 | 360,000円 |
| 光熱費(借主負担分を別途徴収) | +α |
| 実質の月間コスト削減効果 | 家賃の約10〜20%相当 |
さらに複数の借主と組み合わせることで、定休日だけで月5〜10万円の副収入を実現している事例もあります。
まとめ:間貸しは「準備8割・運用2割」で成功する
間貸しが上手くいかないケースのほとんどは、「準備の甘さ」が原因です。
- 飲食店営業許可の確認
- 衛生管理ルールの文書化
- 転貸借契約書の作成
この3点を整えれば、あとは適切な借主を見つけるだけです。びあらばでは、これらの準備から借主マッチング・契約・運用まで一括サポートしています。「何から始めればいいか分からない」という段階からのご相談を歓迎します。
よくある質問
Q. 間貸しは定休日以外でも始められますか?
営業時間外の朝・深夜や、ランチとディナーの間の空き時間だけを貸し出すパターンもあります。定休日を1日まるごと貸す方法に比べて調整の手間は増えますが、営業日を減らさずに収益化できる点がメリットです。自店の営業動線と重ならない時間帯から切り出すのが基本です。
Q. 間貸しを始めるのに新しく契約書を作る必要はありますか?
口約束のまま始めるとトラブルの原因になるため、使用目的・料金・清掃範囲・禁止事項・解約手続きを定めた書面を用意することをおすすめします。物件を借りている場合は、そもそも転貸が可能かを賃貸借契約書で確認する必要があります。条文の最終確認は弁護士などの専門家にご相談ください。
Q. 借主(出店者)はどこで探せばよいですか?
スペース掲載プラットフォーム、SNS・口コミ、間貸し支援サービスの3つが主なチャネルです。プラットフォームは露出が取れる一方で相手の見極めが自己責任になり、紹介経由は数が限られる代わりに信頼性が高い傾向があります。複数チャネルを併用すると空き日が埋まりやすくなります。
Q. 設備の使い方や清掃の範囲でもめないためにはどうすればよいですか?
「どこまでを出店者が戻すのか」を、使用できる設備・食材の保管場所・退出時の清掃項目まで具体的に書き出して共有しておくことが有効です。認識のズレは口頭説明だけでは残りやすいため、写真付きのチェックリストにして毎回同じ基準で確認する方法が現場では機能します。
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