飲食店の事業計画書を書く前に決めるべき5つのこと|大阪開業サポートが解説

「いつか自分の店を持ちたい」と思い立って、まず行動するのは良いことです。でも、最初から事業計画書を書こうとして手が止まる——そういう人は非常に多い。

実は、事業計画書が書けない本当の理由は「書き方を知らないから」ではありません。書く前に決めるべきことが決まっていないからです。

この記事では、大阪を拠点に飲食店の開業をサポートするびあらばが、計画書を書く前に整理しておくべき5つのポイントを、具体的な数字と事例を交えて解説します。

この記事でわかること

  • 事業計画書が「書けない」本当の理由と、書く前に整理すべきこと
  • コンセプト・収支・物件・資金・リスク軽減の5つを具体的に決める方法
  • 大阪で飲食店を開業するときにびあらばがどう伴走するか
目次

事業計画書とは何か——まず「目的」を理解する

飲食店の事業計画書とは、「誰に・何を・どうやって売るか」と「その結果として利益が出るか」を1枚の資料に落とし込んだものです。融資申請の添付書類というイメージが強いですが、本来の目的は自分自身の判断軸を整えること。数字にしてみて初めて「これは無理だ」「ここを変えれば成立する」という判断ができるようになります。

つまり事業計画書は、書き終えた時点ではなく書く過程で最も価値が出るドキュメントです。だからこそ、書き始める前の「素材」を揃えることが重要なのです。

① コンセプトを「一文」で言えるか確認する

事業計画書の第一項目は必ずコンセプトです。ところが、これを「本格イタリアンのお店」「リラックスできる空間」のような雰囲気説明で書いてしまう人が非常に多い。

コンセプトとは、「誰が・どんな状況で・なぜあなたの店を選ぶのか」を説明できる一文です。

NG例OK例
「本格的なイタリア料理を低価格で」「梅田で働く30代会社員が、ランチ1時間以内で本格パスタを食べられる唯一の店」
「アットホームな居酒屋」「地元・天王寺で常連客が週2〜3回来る、予算2,000円以内の大衆居酒屋」

「誰に」が絞れていないと、内装・メニュー・価格帯・立地のすべてがブレます。事業計画書を書く前に、まずこの一文を固めてください。

② FL比率シミュレーションで「黒字になるか」を検証する

FL比率とは、売上に対する食材原価(Food)と人件費(Labor)の合計割合のことです。飲食業の経営指標として最も重要な数値であり、一般的に55〜60%以下が健全ラインとされています。

事業計画書を書く前に、以下の簡易シミュレーションをやってみてください。

  1. 月商目標を設定する(例: 客単価1,200円 × 50客/日 × 25日 = 月商150万円)
  2. 原価率を設定する(カフェ:25〜30% / 居酒屋:30〜35% / ランチ:28〜33%)
  3. 人件費を試算する(自分の給与+アルバイト代。月商の25〜30%が目安)
  4. FL合計が売上の60%以内か確認する
  5. 家賃・光熱費・ローン返済後に手元に残るかを計算する

このシミュレーションで「黒字にならない」と気づいた場合、事業計画書を書いても無意味です。黒字になる条件(客単価・客数・原価率)を先に決めてから書き始めるのが正しい順序です。

③ 物件の「上限家賃」を先に決める

物件を見に行ってから事業計画書を書く人がいますが、これは順序が逆です。気に入った物件に合わせて数字を作ろうとすると、収支計画が歪みます。

家賃の目安は月商の10%以内が飲食業の鉄則です。月商150万円なら、家賃の上限は15万円。大阪市内(難波・梅田周辺)では15〜25万円/月が標準的な相場ですが、北摂・天王寺・堺などエリアを変えると8〜15万円台も現実的です。

物件を探す前に「自分の収支計画が成り立つ上限家賃」を数字で出しておくことで、物件選びの軸が生まれます。「この物件は好きだけど予算オーバー」という状況でも判断に迷わなくなります。

④ 開業資金の「総額」をスケルトン・居抜き別に試算する

「300万あれば開業できる」という話を聞いて動き始める人がいますが、業態・物件タイプ・規模によって必要資金は大きく変わります。

項目居抜き物件スケルトン物件
内装・厨房工事50〜200万円500〜1,500万円
設備・什器30〜100万円100〜300万円
保証金・敷金家賃×6〜10ヶ月家賃×6〜10ヶ月
運転資金(3ヶ月分)100〜200万円100〜200万円
許認可・届出費用5〜20万円5〜20万円
合計目安300〜600万円800〜2,000万円以上

重要なのは、手持ち資金の70〜80%を上限に使い、残り20〜30%を運転資金として手元に残すこと。開業直後は売上が安定しないため、資金ショートで閉店するケースが後を絶ちません。事業計画書には「いくら使えるか」ではなく「いくら残すか」を軸に書いてください。

⑤ いきなり開業しない選択肢——間借りでテスト出店する

ここまで4つのポイントを整理しても「本当にこの数字が成り立つか不安」という感覚は残ります。その不安の解消法として、間借り・テスト出店という選択肢があります。

間借り出店とは、既存の飲食店の定休日や空き時間を借りて料理を提供する営業形態です。初期費用は数万円〜数十万円程度で、本開業前に「本当に人が来るか」「この価格帯で売れるか」「オペレーションは回るか」をリアルな環境で検証できます。

大阪・COROCOROでは実際に、間借りから本開業への移行事例が複数あります。ある方は月4回の間借り出店(客単価2,500円×20客)でリピーター30名を獲得し、開業後の集客初速を確保しました。事業計画書の数字をリアルな実績で検証できる、最もリスクの低い方法です。

よくある質問(FAQ)

飲食店の事業計画書はどこに提出するの?

主な提出先は日本政策金融公庫や信用金庫などの融資機関です。ただし、融資を受けない場合でも自分自身の判断基準として作成することを強くすすめます。数字にしてみることで「本当に成り立つか」が客観的にわかります。

飲食店開業の事業計画書を書くのに専門家は必要?

自分で書くことは十分可能ですが、「数字の妥当性の確認」「業界相場との照合」は第三者に見てもらうことで精度が上がります。びあらばでは無料の壁打ち相談を実施しており、作成途中の計画書を一緒にブラッシュアップするサポートも行っています。

大阪で飲食店を開業するとき、関西エリアの相場感はどこで調べればいい?

物件情報はLoopnetや居抜き情報サイト、地元の不動産会社への直接問い合わせが有効です。びあらばでは大阪・関西エリアの開業支援を専門としており、エリア別の物件相場・開業費用の実態を踏まえた相談に対応しています。

FL比率が60%を超えてしまう場合どうすればいい?

FL比率が高い場合、①客単価を上げる ②原価率の高いメニューを削る ③ピーク時間に絞って人件費を圧縮する、の3つが有効です。どれが現実的かはコンセプトによって異なるため、計画書を書く前の段階から収支構造の見直しが必要です。

まとめ:計画書を書く前に「5つの素材」を揃える

  1. コンセプト一文——「誰に・なぜ選ばれるか」が言えるか
  2. FL比率シミュレーション——黒字になる条件(客単価・客数・原価率)を数字で確認
  3. 物件の上限家賃——月商の10%以内を先に決める
  4. 総開業資金の試算——居抜きかスケルトンかで300万〜2,000万円の差が出る
  5. テスト出店という選択肢——間借りで仮説を検証してからフル開業へ

大阪で飲食店の開業を考えているなら、「計画書を書き始める前」の段階でびあらばに相談してみてください。コンセプトの壁打ち、収支シミュレーションの確認、物件選びの軸の整理まで、無料でサポートします。勢いだけでなく「確信を持って」踏み出すための伴走が私たちの仕事です。

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この記事を書いた人

株式会社びあらば 代表取締役。
大阪・天六でシェアレストラン「COROCORO」を運営。
飲食店オーナーとしての実体験と、飲食業界向けSaaS・採用支援の営業経験を活かし、
「開業」「拡大」「採用」に悩む飲食事業者の意思決定支援を行っている。

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