飲食の採用は心が削れる
採用がうまくいかないと、現場はこうなりがちです。
- ピーク前に応募が来る→返信できない→気づいたら辞退
- 面接日程を詰める→候補者が来ない→現場は穴埋めで残業
- ようやく採用→初日で雰囲気が合わず退職
- また求人→また疲弊
このループは、経営者のメンタルを確実に削ります。
「店は回したいのに、人のことで時間も気力も持っていかれる」
—ここに共感できない採用施策は、基本うまくいきません。
データで見る:飲食は「人が動く」産業構造
厚生労働省の雇用動向調査(令和6年=2024年)では、宿泊業・飲食サービス業は就業形態別の入職率・離職率が高く、パートタイムでは「入職率33.3%/離職率29.9%」と高水準です。
つまり飲食の採用は「採って終わり」ではなく、「辞退と早期離職を減らす運用設計」が前提になります。
どこで採用に行き詰まるのか
飲食店の採用は、媒体よりも「詰まり=ボトルネック」を見つけるのが先です。
詰まり①:そもそも応募が増えない(求人が刺さらない)
よくあるのは、求人が条件の羅列になっているケースです。
候補者が知りたいのは、実はここです。
- どんな人が働いてる?(年齢層・雰囲気)
- 何が大変で、何が楽しい?
- 1日の流れは?忙しい時間は?
- 教えてくれる人はいる?怒鳴られない?
- シフトは融通が利く?急な休みは?
ここが見えないと、応募のハードルは一気に上がります。
詰まり②:応募が来ても面接前に落ちてしまう
応募者側の体験は、かなりシビアです。
返信が遅いと「この店、大丈夫かな?」となり、他の店に流れます。
実際、応募対応では迅速な連絡が辞退リスクの軽減につながるという整理がされています。
とはいえ飲食はとにかく忙しい。
だからこそ「頑張る」ではなく、テンプレ・自動化・ルールが必要になります。
詰まり③:採用してもすぐ辞める(定着しない)
早期離職の原因は、能力より“ギャップ”であることが多いです。
- 思ってたより忙しい
- 思ってたより教えてもらえない
- 思ってたよりシフトが厳しい
このギャップは、面接前〜採用初月で大きく減らすことができます。
採用が回る10の打ち手
1)ペルソナ設計
「学生」なのか「主婦(夫)」なのか、「副業」なのか「フルタイム」なのか、では刺さる言葉が全然違います。
誰でもいい、は誰にも刺さりません。
2)求人原稿を「働くイメージ」中心に作り直す
多くの人は採用条件をとにかく書きがちです。
実際には条件より先に、以下の情報を入れることで、応募率が上がりやすくなります。
- 1日の流れ
- 忙しい時間帯のリアル
- 教育のしかた(最初の1週間で何をする?)
- 店の雰囲気(写真とセット)
3)写真は「料理<職場の雰囲気」
料理写真だけだと「店の魅力」は伝わっても「働く安心」が伝わりません。
働く姿、店内、スタッフ同士の距離感が見える写真の掲載が効果的です。
4)応募後の初回返信は「即レス前提」の設計に
「理想は即レス」でも、現場で働いらいている以上、限界があります。
だからこそ、レスポンスを「テンプレ+ルール化」します。
(応募が来たら何分以内に、どの文面を送るか)
応募対応のメールテンプレの考え方・例文は多く公開されています。

5)面接導線を短縮(候補日を先に出す)
面接日程調整のやりとりの往復が増えるほど辞退が増えます。
候補者の負担を減らす導線(候補日提示・オンライン一次面談など)を用意すると取りこぼしを減らすことができます。
6)面接で「ギャップを減らす説明」を先にする
離職を減らすには、面接で良いことだけ言わないことが重要で、結果的にも得です。
「忙しい日」「大変なこと」を言語化し、それでも納得してくれる人を増やします。
7)質問を固定化(面接の属人化を止める)
採用担当者は店によって様々ですが、採用基準がブレるとミスマッチが増えます。
「この3つだけは必ず確認する」といった質問事項の型化から始めることでミスマッチを改善しやすくなります。
8)条件提示は「あと出し」をゼロに
時給、深夜、交通費、シフト、まかない、試用期間。
情報が後から小出しされるほど、不信感につながります。
伝えるべきことは全てリスト化し、聞かれなくても全て伝えるようにルール化しましょう。
9)初日の設計(オンボーディング)を作る
自分が採用されて始めての出勤日の心境を想像してみてください。
初日は不安の塊です。
- 誰が迎えるか
- 何を教えるか
- 最初の「成功体験」を何にするか
この設計を店側でしておくだけで、早期離職が減りやすくなります。
10)KPIで詰まりを「見える化」して改善する
「応募が少ない」と感じても、実は詰まりは別の場所かもしれません。
- 応募数
- 面接設定率
- 面接実施率
- 内定承諾率
- 1ヶ月定着率
どこが落ちてるか分かれば、打ち手は明確になります。
まとめ:「求人を増やす」のではなく「詰まりを解消する」
採用が回らない時、多くの店が「媒体の変更」に走ります。
でも、詰まりが「返信速度」や「導線」や「ギャップ」なら、媒体を変えても同じことが起きます。
もし「うちの場合、詰まりがどこか分からない」「店長がもう採用対応に限界」という状況なら、採用業務を設計→運用→改善で支えるRPOという選択肢もあります。
びあらばは、飲食の採用を「媒体の問題ではなく運用と設計」として整理し、辞退・早期離職の削減まで踏み込む方針を明示しています。
まずは無料相談で「詰まりの特定」から入るのが最短です。
よくある質問
Q. 飲食店の採用がうまくいかないのはどこに原因がありますか?
記事では「求人を増やす」のではなく「詰まりを解消する」という考え方で整理しています。応募が来ない、面接に来ない、入社後に辞めるという段階のどこで止まっているかを特定しないと、募集を増やしても同じ結果になります。
Q. 飲食業界の人材が動きやすいのは構造的な理由がありますか?
記事ではデータをもとに、飲食が人の出入りが多い産業構造であることを示しています。個々の店舗の努力不足だけが原因ではないため、離職が一定数起きる前提で採用と定着の仕組みを設計する必要があります。
Q. 小規模な飲食店でも実践できる採用施策はありますか?
記事で挙げている10の打ち手は、求人票の書き方から面接、入社後の定着までを含み、いずれも小規模店で実践できる内容に絞っています。費用をかけずに着手できるものから順に試す形を想定しています。
Q. 採用の打ち手はどこから手をつけるべきですか?
自店がどの段階で詰まっているかを確認してからです。応募が来ていないなら求人票と掲載条件、面接に来ないなら連絡のスピード、入社後に辞めるなら受け入れの設計が対象になります。段階を取り違えると効果が出ません。
(初出店歓迎/無理な勧誘は行っていません)


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