飲食店の間貸し契約書に必ず入れる5つの条項|トラブルを防ぐ書き方の鉄則

飲食店の間貸し契約書に必ず入れる5つの条項|トラブルを防ぐ書き方の鉄則

「間貸しをやってみたいけど、トラブルになったらどうしよう」——そう思って踏み出せていない飲食店オーナーは少なくありません。実際、間貸しでのトラブルの大半は「契約書がなかった」か「曖昧な条件で始めた」ことが原因です。逆に言えば、しっかりした契約書を用意しておけば、ほとんどのトラブルは事前に防げます。この記事では、間貸し契約書に必ず盛り込むべき5つの条項と、揉めない書き方のポイントを具体的に解説します。

この記事でわかること

  • 間貸しトラブルが起きる根本原因
  • 契約書に入れるべき5つの必須条項と具体的な書き方
  • 料金設定と契約書作成でびあらばが支援できること
目次

なぜ間貸しにトラブルが起きるのか

間貸しのトラブルで最も多いのは次の3パターンです。

  • 清掃の範囲・程度をめぐる「言った・言わない」
  • 料金の未払いや支払い遅延
  • 禁止していた行為(食材の無断使用・許可なく客を呼ぶ等)をされた

これらはすべて「口頭だけで始めたから」起きます。紹介で知り合った出店者だから、知人の料理人だから——そういう関係性がかえって「まあいいか」を生み、問題が大きくなってから発覚するケースが実際の現場では頻繁に起きています。

契約書は、相手を疑うためではなく「最初から認識を揃えるため」に必要なものです。

間貸し契約書に必ず入れる5つの条項

① 使用目的・使用範囲(「何のために」「どの部分を」)

「厨房とホール一式を貸す」という曖昧な表現では、どこまで使っていいかの認識が出店者とオーナーでずれやすくなります。

具体的に明記すべきポイント:

  • 使用できる設備(コンロ・オーブン・冷蔵庫・食洗機 など)
  • 使用できない設備・スペース(バックヤード・事務所・ドリンクサーバー など)
  • 使用目的の限定(飲食物の調理・提供のみ。撮影・イベント利用はNG など)

「厨房は使えるがフライヤーは使用不可」「ホールのPOSレジには触らない」など、できるだけ行動レベルで書くことが揉めない契約書の第一歩です。

② 料金・支払い条件(「いくら」「いつまでに」「どうやって」)

料金に関する取り決めは最も丁寧に書く必要があります。

項目記載すべき内容の例
使用料1時間あたり○円、または1日(○時〜○時)○円
支払い期日毎月○日までに翌月分を前払い
支払い方法銀行振込(口座情報明記)
遅延損害金支払い遅延の場合は日利○%など

「値上げするかもしれないから最初は安く設定しよう」という考え方は逆効果です。値上げのタイミングで価格目当ての出店者が離れ、また一から集め直す空室ロスが発生します。最初から適正価格を設定することが、長期的に安定した間貸し運営の鉄則です。適正価格の見極めに迷ったら、びあらばが個別ヒアリングで一緒に考えます。

③ 清掃・原状回復の責任分担(「誰が」「どこまで」)

清掃に関するトラブルは間貸し運営で最も起きやすいものの一つです。曖昧にせず、以下を明記します。

  • 使用後の清掃はどこまで出店者の責任か(コンロ・フード・床・ゴミ など)
  • 清掃の完了基準は何か(目視確認?使用前と同等の状態?)
  • 清掃不足の場合の対応(クリーニング代の請求ルールなど)

「使った後は綺麗にする」だけでは基準が人によって全然違います。「シンクは使用前と同等の状態に戻す」「ゴミはすべて持ち帰る」「フードフィルターは使用のたびに拭き上げる」——行動レベルで書くほど認識のズレがなくなります。

④ 禁止事項・違反時の対応(「何がNG」「違反したらどうなるか」)

禁止事項を明文化しておかないと、「知らなかった」という言い訳が通ってしまいます。よくある禁止事項の例です。

  • 店の食材・ドリンクの無断使用
  • SNSへの厨房・スタッフ写真の無断投稿
  • 第三者への又貸し(サブレット)
  • 設備の改造・持ち込み機器の無断使用

また、違反が発覚した場合のペナルティも必ず明記します。「警告後も改善しない場合は即時契約解除」「損害が発生した場合は実費を請求する」など、実効性のある文言を入れておくことが抑止力になります。

⑤ 契約解除・退去の手続き(「どうなったら終わりか」)

出店者側が辞めるとき、オーナー側が契約を終了させたいときの手続きを最初に決めておきます。

  • 通常解約:退去の○日(または○ヶ月)前までに書面で通知
  • 即時解約:禁止事項違反・料金未払いが○日以上続いた場合
  • 原状回復:退去時に設備を使用前の状態に戻す義務と確認方法

「言い出しにくかったから黙って辞めた」「辞めると言ったのに来続けた」——こうした事態を防ぐためにも、終わり方を最初に決めておくのが誠実な間貸し運営です。

契約書を実際に作るときの3つのポイント

5つの条項が揃ったら、書き方にも気を付けることがあります。

  1. 双方が署名・捺印する:口頭確認だけでは契約書の意味がありません。2部作成して各自が保管します。
  2. 日付と場所を明記する:「○年○月○日、○○(店名・住所)において」という書き出しで、「そんな契約してない」という言い逃れを防ぎます。
  3. 専門家に確認する:契約書の法的な有効性や抜け漏れが気になる場合は、行政書士や弁護士に確認することをおすすめします(内容の正確性については必ず専門家にご確認ください)。

びあらばでは契約書のひな形提供と、条件整理のヒアリングも行っています。「どんな内容にすればいいかわからない」という段階からでも相談可能です。

まとめ:揉めない間貸しは「始める前」に決まる

間貸しのトラブルは、始める前に「最初から決めておくべきことを決めていなかった」から起きます。今回紹介した5つの条項を契約書に盛り込むだけで、トラブルの大半は事前に防ぐことができます。

  • ① 使用目的・使用範囲
  • ② 料金・支払い条件(最初から適正価格で)
  • ③ 清掃・原状回復の責任分担
  • ④ 禁止事項と違反時の対応
  • ⑤ 契約解除・退去の手続き

「契約書の作り方がわからない」「料金相場を知ってから設定したい」「間貸しを始めてみたいけど不安」——そんな方は、まずびあらばに無料相談してみてください。

よくある質問

Q. 間貸しの契約書は自分で作っても問題ありませんか?

雛形をもとに自店の条件を書き込む形で作成しているオーナーもいますが、使用目的・料金・清掃と原状回復・禁止事項・契約解除の5点は必ず自店の実態に合わせて書き換える必要があります。金額や責任範囲が絡む条文になるため、最終的な内容は弁護士などの専門家に確認することをおすすめします。

Q. 契約書に入れておくべき最低限の条項は何ですか?

記事で挙げているのは、①使用目的・使用範囲、②料金と支払い条件、③清掃・原状回復の責任分担、④禁止事項と違反時の対応、⑤契約解除・退去の手続きの5つです。いずれも「誰が・どこまで・いつまでに」を具体的な言葉で書くことがトラブル防止につながります。

Q. 口約束で始めてしまった場合、あとから契約書を作れますか?

運用を続けながら書面化することは可能です。すでに発生している認識のズレを洗い出し、次回の利用分から新しい条件を適用する形で切り替えるのが現実的です。条件変更は相手の同意が必要になるため、変更点を明示したうえで書面を取り直してください。

Q. 禁止事項はどこまで細かく書くべきですか?

「何がNGか」と「違反した場合にどうなるか」が対応しているかが重要です。禁止事項だけを並べても、違反時の措置が書かれていなければ実際には運用できません。自店で過去に困った出来事があれば、それを具体的な条文として足していくのが実務的な進め方です。


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この記事を書いた人

株式会社びあらば 代表取締役。
大阪・天六でシェアレストラン「COROCORO」を運営。
飲食店オーナーとしての実体験と、飲食業界向けSaaS・採用支援の営業経験を活かし、
「開業」「拡大」「採用」に悩む飲食事業者の意思決定支援を行っている。

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